米株2023|景気サイクルを学ぼう

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米国の経済は右肩上がりに成長しています。しかし、常に全体が上がるのではなく、景気によって上がりやすいセクターが決まっています。

セクターとは、事業内容や特徴が似ている企業の集まりです。

景気サイクルによってそれぞれのセクターは異なるパフォーマンスを示します。

米国投資をするための基本の知識となるため、確実にしっかりと身に着けておきましょう。

景気サイクルとセクターローテーション

景気サイクルとは、経済が拡大期と収縮期を繰り返す現象のことです。一般的に、景気サイクルは以下の4つのフェーズに分けられます。

景気サイクル
  • 拡大期:経済成長が加速し、失業率が低下し、消費者や企業の信頼感が高まる期間です。このフェーズではシクリカルな景気に敏感なセクターが好調になります。主に素材、工業、一般消費財(耐久消費財)、金融、情報技術などのセクターです。
  • 過熱期:経済成長がピークに達し、インフレ圧力が高まり政策金利が上昇する期間です。このフェーズでは、景気にあまり影響されないディフェンシブなセクターが強くなります。ディフェンシブなセクターには、生活必需品、ヘルスケア、公益事業などが含まれます。
  • 減速期:経済成長が減速し、失業率の上昇で消費者や企業の信頼感が低下する期間です。このフェーズでは、安定的な収益や配当を提供するセクターが支持されます。安定的なセクターには、コミュニケーションサービス(電気通信サービス)、不動産などが含まれます。
  • 収縮期:経済成長がマイナスに転じ、失業率の上昇とインフレ圧力の低下で政策金利が低下する期間です。このフェーズでは、シクリカルなセクターが再び活況を呈します。これは、経済の回復を先取りする投資家の行動によるものです。

経済は、景気の強弱と金利の高低によりサイクルしています。各フェーズで業績が伸びるセクター以下のとおりです。

<拡大期>経済成長
<過熱期>景気が過熱
<過熱期>物価が上がりインフレに
<過熱期>インフレ抑制で金利が上がる
<減速期>景気後退
<収縮期>不況
<収縮期>抑制解除により金利が下がる
<拡大期>景気回復
     経済成長(はじめに戻る)

但し、株価はこの通りに推移しません。これは、投資家や機関が業績が伸びそうな銘柄/セクターを先に仕込んでいるからです。

株式市場は実経済の半年先を読むと言われています。

投資で資産を伸ばすためには、様々な指標を基に半年先のセクターに目を向けるようにしましょう。

実際に株価が伸びるセクターは以下のとおりです。

景気の動向を把握した上で、景気の局面変化ごとに有望なセクターに投資対象を切り替えていく投資戦略のことをセクターローテーションと言います。

以上が米国株の11セクターと景気サイクルの関係についての説明です。ただし、これらの関係は必ずしも一定ではなく、時代や事情によって変化します。

基本の11セクターとは

米国の市場は大きく11のセクターに分けられます。

エネルギー
Energy
金融
Financials
生活必需品
Consumer Staples
情報技術
Information Technology
公益事業
Utilities
資本財
Industrials
ヘルスケア
Health Care
素材
Materials
コミュニケーションサービス
Communication Services
一般消費財           
Consumer Discretionary   
不動産
Real Estate

セクターは市場全体を俯瞰的に把握するための非常に優れた指標です。一方で、「この企業とあの企業が同じセクターなのか」と思うほど現代社会の業態は幅広く複雑化しています。

「●●銀行」と聞くと「金融セクターだ」とイメージしやすいものもある一方、「マクドナルド」と「テスラ」と「アマゾン」が同一セクターであることに疑問を感じるかもしれません。

セクターをきちんと理解するために「インダストリーグループ」と「インダストリー」の考え方を学びましょう。

コミュニケーションサービスセクターは2018に新たに設けられたセクターです。日本では通信サービスセクターと呼ばれることが多いです。

本セクターの中には、ブロードバンドサービスを提供するAT&Tと検索エンジン最大手Googleの親会社であるAlphabetがあり「通信」という文言に違和感を覚えます。

日本語直訳の「通信サービス」ではなく、英語の「コミュニケーションサービス」の方がしっくりくるため、本ブログでは後者で記載しています。

参考にGAFAMTを見てみましょう。これらBig Tech企業は以下の3つに分類されます。

 Google(alphabet):コミュニケーションサービスセクター

 Apple:情報技術セクター

 Facebook(META):コミュニケーションサービスセクター

 Amazon:一般消費財セクター

 Microsoft:情報技術セクター

 Tesla:一般消費財セクター

Memo1 ■ セクター分類の歴史

米国株の銘柄は、事業内容によってセクターと呼ばれるカテゴリーに分類されています。

このセクターの分類は世界産業分類基準(GICS)というもので、米国の格付け会社であるS&P(Standard & Poor’s)と、機関投資家向けに指数や投資分析ツールを提供するMSCI(Morgan Stanley Capital International)によって定められたものです 。

GICSは1999年に導入されて以来、何度も改訂されており、現在は11のセクターに分けられています 。直近では2018年に新たにコミュニケーションサービスセクターが設けられました。日本では不動産セクターを除く10セクターとして扱われることもあります。

Memo2 ■ GAFA? Big Tech?

「GAFA」は、Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字を取った言葉で、日本で使われている和製英語のような単語です。米国ではこれら企業を「Big Tech」と呼んでいます。Big Techは、GAFAに加えてMicrosoftやNetflix、Nvidia、Teslaなども含まれて使われます。これは2010年代の時代を牽引をしたGAFAMと2020年代でGAFAMに匹敵する成長をした企業群であり、より時代に沿った命名と言えます。

Big Techは最新の情報技術を持ち、市場や社会に大きな影響力を持っています。

より詳しく知りたい方は以下の以下の記事を参照ください。


投資判断を行う際には、他の要因も考慮し、複数の情報収集窓口を持つようにしましょう。

では、良い投資ライフを。

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